アメリカンフットボールの最高峰NFLのドラフトを題材にされた映画。
アメリカのドラフト制度は、「昨シーズンの成績が一番悪い」チームから順番に指名していきます。日本のプロ野球のドラフトと違って先に指名された選手を、後に指名するチームが重複指名することができません。
そのためNFLでは、自チームの上位指名できるドラフト権利と他チームのスター選手や複数人の選手などとトレードに活用したりできます。
指名する順番がまわってきたチームは、10分以内に指名する選手を決定しないといけません。映画では、そのドラフト当日、各チームGM達によるどの選手を指名するかなどの駆け引きが、注目することになります。
オーナーの思惑とGMのチーム展望のぶつかり
チームのオーナーは「勝てるチーム」づくりをGMに望みますが、もう1つ「客を呼べる」選手の獲得も望んでいたりする事がわかります。
両者の思惑が一致する選手がいれば良いですが、そうでなかった場合、GMの考えをどうチームに主張しドラフト指名する選手を決定するのかドキドキします。
ドラフト1巡目の選手は、チームの根幹になりうる選手
チーム成績が悪いチームから指名する事は、つまり「弱いチーム」って事になります。そのため現実のドラフトで指名する選手は、今後、強いチームへ成長させるための即戦力でチームの中心選手になる場合が多いです。
同じポジションの選手がドラフト指名された場合、すでに在籍している選手は控えに回る事もありえるのでレギュラー争いが激しくなります。プライドが高い選手だと「移籍させろ」ということもありえます。
映画では、選手との衝突も描かれていて、ドラフト指名を誰にするのか苦悩する部分でもあります。
実際は、試合に誰を使うのかの判断は、監督の裁量だと思いますが。ドラフト指名で弱点を補強するのか、または、余剰戦力になってしまうかは、GMの責任なのでしょう。
ドラフト候補生へのリサーチ
ドラフト候補生へのリサーチ力がハンパない事が描かれています。リアルな世界でも、チームから選手へのアプローチには、色々と仕掛けがあるんじゃないかと思わされます。
この映画には出てこないですが、実際のNFLでは、ドラフト指名される可能性がある選手が招待される参加する恒例イベント「スカウティングコンバイン」というのがあります。
体力測定や身体検査、個人面談などが実施されるイベントです。映像だけでなく、コーチ陣が実際に目にする事ができる機会なので、この辺のシステムは、アメリカっぽいと思います。
選手の競技能力や故障遍歴だけでなく、パーソナルな部分(人格や素行)などもチェックされています。NFLに入ってから成長を期待できるのか判断されています。ここでの評価が、ドラフトの評価に直結する事があります。
ドラフト当日のチームの動きと同時進行で「男女の恋愛モード」の部分もあるのですが、アメフト好きな人には、楽しめる要素が多い映画だと思います。
主演のケヴィン・コスナーは、ベースボール関連の役者じゃんと勝手にレッテルを貼っていましたが、今回の作品で野球以外の「スポーツ映画」でも「いいね!」って思えました。
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